皆さんは、腰痛を患ったことはあるでしょうか。腰痛の症状は、人によっても大きく異なりますが、中には安静にしていても痛みをきたすものもあり、生活に大きく支障をきたすものであります。しかし、現在の医療においては、その内の80%が原因のはっきりしない腰痛とされているのが現状です。そこで重要になってくるのは、腰痛をきたさないよう予防策を講じることであると言えます。今回は、「睡眠」について、皆さん自身で講じることの出来る、腰痛に対する予防策をご紹介します。

腰痛を予防するには?

睡眠の際に皆さんが気にされるのは、布団の硬さや枕の高さといった、所謂「寝心地」を重視されるかと思います。当然、これらのことは腰痛とも大きく関連があるとされており、寝具を選ぶうえでは重要です。しかし、「あの枕が売れている」「あの寝具が人気だから」といって売れ筋の良い商品ばかりを選んでいると、身体に合わず、かえって腰痛を惹起させることも少なくありません。例えば、高齢者の方は円背姿勢となるだけでなく、背骨の周囲の身体を支える筋肉や組織は硬くなり、椎間関節と呼ばれる背骨の関節は殆ど動かなくなります。また若い人であっても、柔らかく身体が沈むような布団を選ぶと、寝返りがとれなくなり、同じ姿勢が長時間続くこととなります。生後すぐのお子さんを見てわかるように、人間は本来、寝返りをとりながら身体の筋肉の緊張をコントロールしています。同じ姿勢が長時間続くと、その姿勢を保持するために人間の身体は少なからず筋肉の緊張を高めて保持をしようとします。特に腰痛をきたす人の多くは、痛みをきたす箇所の周囲の筋肉の緊張が高いものとなっています。

腰痛を悪化させる?睡眠時の危険な姿勢

また、原因のはっきりしている残り20%の腰痛の要因の多くは、腰椎が伸展することによる問題です。腰椎が伸展すると背骨の間を通っている神経にも問題をきたします。神経に問題をきたすと、痛みだけでなく、痺れの症状や足に力が入らなくなるといった症状もきたします。腰の下にタオルを入れるなどし、腰椎が反るような姿勢で睡眠をとる方が楽だ、という方もいるようですが、安易に行うことは、逆に腰痛に対する負担を増大させるリスクが孕むということを考慮しておくべきだと言えます。

まとめ〜睡眠時に取り組むべき腰痛予防〜

ここまで、「睡眠」における腰痛のリスクと簡単なメカニズムについてご紹介しました。最後に、ここまでの内容から、以下の点に気を配ることが重要です。

1. 身体に合った寝具を使うこと。
2. 寝返りのできる環境を確保すること。
3. 腰が反らない姿勢で寝ること。

睡眠は身体にとってのスイッチの切り替えになる時間帯です。電気やテレビを点けたまま寝たり、携帯電話を触りながら寝ることは、身体のスイッチをオフに出来ない状況であるということを知っておいて下さい。

 

haku.paku
理学療法士7年目。大学卒業後、理学療法士の資格をフルに活用し、外来整形、トップスポーツの現場でトレーナー活動、高齢者施設、入院病棟と幅広い現場で従事し、現在は某大学医学部大学院にてプロスポーツや肥満予防に向けた研究活動を行う。趣味は三度の飯よりサッカー観戦。