腰椎椎間板ヘルニアとは上の図のように連なる腰椎(腰骨)の間にあって、クッションのような役割を果たす椎間板という組織が後方へ飛び出した状態のことを言います。

椎間板が後方に飛び出してしまうと後ろ側を通っている神経を圧迫したり、椎間板とその周辺組織が癒着(組織同士が引っ付いて離れなくなる状態)して神経や関節の滑らかな動きを妨げることがあり、腰痛を引き起こしてしまいます。また腰痛以外にもヘルニアは状態が悪化していけば脚に痺れが生じたり、力が入らなくなったり、動けないほどの腰痛で入院をすることもあります。

そのため腰椎椎間板ヘルニアの症状改善や進行予防の取り組みは重要で、そのなかでもストレッチや筋トレはとても効果的とされています。

腰椎椎間板ヘルニアの腰痛に効くストレッチと筋トレ5選

腰椎椎間板ヘルニアの腰痛改善にはストレッチや筋トレが効果的です。

まずストレッチには筋肉の緊張をほぐして循環を改善し、血管内に滞っている痛み発生物質を流す働きがあります。筋トレはストレッチと同様に循環改善効果や、筋力アップによる関節の安定性を高める効果があり、これら作用により腰痛は改善させることができます。

また腰椎椎間板ヘルニアの場合はストレッチや筋トレをすることで、腰椎椎間板ヘルニアの症状を生じさせにくい姿勢へと改善させることができます。

上の図は背中が丸い姿勢を保った時に腰椎に掛かる負荷(赤矢印)を示したものとなりますが、図のように背中が丸い姿勢は椎間板を後方へと押し出す力が強く働くため症状を誘発してしまいます。そのため背中が丸い姿勢は腰椎椎間板ヘルニアの方は避けるべき姿勢で、悩んでいる腰痛を改善させるには背筋が伸びた姿勢を保つことが重要となります。

ストレッチ・筋トレでは良い姿勢を保つために必要とされる筋肉をターゲットとしているものを、5つに厳選してご紹介します。

①腹式呼吸
腹式呼吸は背骨の安定性を高めるのに重要となる体幹深層にある筋肉(インナーマッスル)を鍛えるのに有効です。良い姿勢を保ち、鼻からゆっくりと息を吸って下腹部を膨らませ、口いからゆっくりと息を吐き下腹部を凹ませていきます。1日何回でも気づいたら行うようにすると良いでしょう。

②腰骨を反らす

腰骨のストレッチです。うつ伏せになり両肘をついて、痛みの生じない範囲で腰骨を反らします。余裕があれば手を床につき肘を伸ばしてストレッチをしてみてください。この姿勢を20~30秒程度保ち3回程度行うようにしましょう。

③股関節を伸ばす

股関節前側(オレンジ色部分)のストレッチです。股関節が硬いことにより骨盤の動きが低下して背中が丸くなっているというパターンの人も多く、この場合は股関節を伸ばせば姿勢が改善されヘルニアによる腰痛も生じにくくなります。

やり方はまず片膝立ちになり、そして背筋を一定に保ったまま前方へと重心移動させます。このときオヘソが正面を向くように意識して行ってください。また何かモノにつかまって行うとやりやすいでしょう。心地よく筋肉が伸ばされる範囲で、この姿勢を20~30秒程度保ち3回程度行うようにしましょう。

④座って腿上げ

良い姿勢を保つために重要となる腸腰筋という腰骨・骨盤~股関節に付着しているインナーマッスルを鍛える筋トレです。椅子に座って姿勢を正し、片腿を床面から5cm程度持ち上げます。片腿を持ち上げるときは体幹が後ろに倒れたり、腰骨部分が丸くなってしまわないように注意して行いましょう。20~30回程度を朝晩の2回程度行うようにしましょう。

⑤背筋を伸ばしたり、丸めたり

体幹のインナーマッスルを鍛えることができます。また痛みの生じない範囲で最大限に背筋を動かすことで脳が腰椎・骨盤の動かせる範囲を認識できるようになり、身体の柔軟性が向上します。20~30回程度を朝晩に2回程度行うようにしましょう。

運動時に注意すべきポイント

腰椎椎間板ヘルニアによる腰痛で悩んでいる方は以下3つのポイントに注意して運動に取り組むようにしましょう。

ポイント①急に痛みが生じたとき、痛みが強くなったときは運動をしない
急に痛みが生じるとき、痛みが強くなるときは腰椎椎間板ヘルニア周囲で急性の炎症が生じている可能性があります。この時期の運動は炎症を悪化させ腰痛を強くさせてしまうため避けるべきで、安静を保つようにしましょう。

ポイント②痛くない範囲で運動する
運動は痛みが生じない範囲で行ってください。痛みは身体が発する赤信号の1つです。痛みを無視して運動を続けると腰椎椎間板ヘルニアの炎症を悪化させる可能性があります。運動は適度に行えば腰椎椎間板ヘルニアの腰痛に効果を発揮するので、痛みを1つの目安としながら運動量を調節して行いましょう。

ポイント③高負荷の運動はさける
重りを用いた筋トレのような高負荷での運動は腰椎に強いストレスを与え、炎症を悪化させる危険性があります。また高負荷での運動は身体表面にある筋肉が主に働くため、身体深層にあり腰痛改善に重要となるインナーマッスルを鍛え難いです。負荷が物足りないと感じるようであれば紹介したような低負荷の運動を汗がじんわり出てくるまで繰り返し行ってみると良いでしょう。

まとめ

腰椎椎間板ヘルニアによる腰痛の改善にはストレッチや筋トレが効果的です。ストレッチや筋トレを行うことで血管内にある痛み物質の蓄積を予防・改善したり、関節の安定性を高めたりすることができます。また柔軟性や筋力がアップすれば腰椎椎間板ヘルニアの症状を悪化させる背中の丸まった悪い姿勢を改善させることもできます。主治医と相談しつつ適切な運動に取り組み、習慣化していきましょう!

筆者wasawazaプロフィール:理学療法士として病院で勤務しておりました。2年前より退職し子育てに専念しております。